Charlotte Weekly 1996.11.10.号 通巻 第15号

インタ−ネットをめぐる戦い その2

500ドルパソコンのゆくえ

先日、カリフォルニアに行ってきました。途中飛行機から見えるロッキ−山脈 は既に雪をかぶり、すっかり冬景色となっておりました。日本も、ちらほら 雪便りとのこと、季節の変わり目でもあります、皆様お体にはお気をつけくだ さい。

前回は インタ−ネットをめぐる戦いのうち、ソフトウェアの部分をご報告 しました。今回は、ハ−ドウェアをめぐる戦いをご報告いたします。 コンピュ−タ−のチップから、ディスプレ−の選択まで、パソコンの普及と、 インタ−ネットの普及は自然発生的に見えますが、実際はその巨大なマ−ケッ トをめぐって、熾烈な争いが行われています。

インタ−ネットに使うパソコンの機能を分けてみると、次のようになると思い ます。デ−タを統合的に処理するCPUと呼ばれるチップと、変換された デ−タを表示するディスプレ−とそして、デ−タ通信を受け持つ部分(モデム) の3つが本質的な部分です。 実際のパソコンでは、その外にも、デ−タを蓄える機能と、デ−タを加工して 画像や、音などに変換する機能などが付加されています。

まずこの中で、CPUについては現在、量産できてしかも映像や音などの マルチメディアを含めて対応できるものは、ごく限られています。インテルと かモ−トロ−ラとかが作っているCPUがそれらの代表的な製品です。この CPU部分は、殆ど米国メ−カ−支配の世界です。 次に、デ−タ通信の部分では、モデムあるいはタ−ミナルアダプタ−と呼ばれ るものが必要な部品になります。この分野は現在大きく成長していて、マーケ ットもどんどんと広がりを見せています。現在のところデ−タの通信に電話線 を使うかぎり、これらは今後も使われ続けるでしょう。

次に表示の部分ですが、これにはパソコン用モニタ−とテレビの2通りが考え られています。ご承知のようにパソコン用のモニタ−は同じサイズのテレビの と比べると、値段が3倍以上します。ここで、500ドルパソコンは、テレビを 利用しようと考える訳です。 では、性能はどうでしょうか。TVゲ−ムとパソコンゲ−ムを比較すると分か りますが、パソコンのモニタ−の方が画質がきれいです。これは解像度による 本質的な差なので、ハイビジョンテレビゲ−ムが出てこないかぎり、TVでは 高画質は望めません。

現在、インタ−ネット上には様々な画像情報が裁せられていますが、現状の テレビを使うとすると、TVゲ−ム機以上の映像は期待できないでしょう。 今年の半ばに、ピピンという650ドルパソコンが発売されました。これは テレビを使ってインタ−ネットにアクセスすることを目指したものでした。 私は実際に見て、その画像の粗さに驚きました。 しかも、メ−ルも出せるというのですが、日本語変換機能はTVゲ−ムの入力 と同じように行われていました。ここからは私の考えですが、パソコンのモニ タ−にインタ−ネットの画像やTV画像を写すことは、問題ないけれどもテレ ビにインタ−ネットの画像を流すのは不満足な結果しか生じないのではない かと思います。そうすると、これからのテレビはパソコンに取り込まれてしま うのではないだろうかと思います。勿論TVだけを見るためにテレビは存在し つづけるでしょうが、今後インタ−ネットでの情報が増えることと放送のデジ タル化が進むことを考えると、パソコンのモニタ−がどんどん普及して、 価格が下がり、そしてTVにとって代わることになるような気がします。

その意味で、現在のパソコンの処理能力を持ち、そして価格が500ドルの パソコンはというと、これはかなり難しいと思います。しかしすこし価格を 上げて800ドルパソコンであれば、近い将来には可能だと思います。これに は勿論パソコンのモニタ−も含めて考えられます。

この中でも、インテルとマイクロソフトは連合を組みながら、CPUとパソコ ン環境での独占化への布石を打っていましたが、IBM,オラクルなどの500 ドルパソコンキャンペーンもとうとう無視できなくなり、機能を限定した CPUの開発と、データ処理の軽いオペレーティングシステムの開発も行うと 発表しました。 (96/10 インテル及びマイクロソフト発表)これで、CPU のコストは大幅に下がることになります。

はじめのうちは実現不可能なターゲットに見えていた500ドルパソコンも、 ここに来てかなり実現の可能性が高くなったと思います。できそうも無い目標 を掲げても、いつのまにか実現してしまうような流れを作り上げる、米国の 業界の力には改めて目を見張ります。全体の目標を設定することとを米国が 行い、製造技術や改良技術を世界に求めて、安いコストで、良いものを作り出 すという構図が、ここでもはっきりと表れています。

日本も、追いかけて、高品質なものを作り上げる製造技術はすでに完成した 訳ですから、今後はそれに加えて、世界のマーケットを視野に入れて、高い 目標をかかげる事に力を入れる時が来ているように思えます。


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