Charlotte Weekly 1996.12.01.号 通巻 第18号

米国のレンタカー事情

今日(11・28)から、米国はサンクスギビングデー(感謝祭の祝日)と言うこと で、土日と合わせて4連休になっています。いつも使うCharlotte空港の駐車 場は利用者であふれてしまい、私は仕方なく、駐車場の芝生の上に車を停めざ るを得ませんでした。日本で言う、ふるさと帰りの時期になります。 今はシカゴのオヘア空港でこの原稿を書いています。外は氷点下5度で、空港 にはうっすらと雪が積もっています。街にはそろそろクリスマスの飾りつけも 出てきて、これから12月まで、米国らしい風景が昼も夜も楽しめます。サン タさんをだしにして、大人も子供も楽しんでいます。日本の忘年会の代わりに は会社や、個人でのパーティーが開かれ、案内状には帰りの時間は午前であっ たり、記載がなかったりでなかなか忙しい季節ではあります。

さて、今週は米国のレンタカー事情をご報告いたします。
米国での旅行は時間のゆとりがあれば、フリーウェイを利用して、車でどこま でも行くことは可能です。 しかし、実際は時間の制約や、ドライブ時間が現実的でなかったりして、飛行 機とレンタカーという組み合わせが一般的です。どこの飛行場にもレンタカー のサービスがあり、旅行者は飛行場から目的地まで、自分で車を運転します。 もちろんタクシーの利用も可能ですが、大きな空港以外はあまり便利ではあり ません。そこで、ほとんどの人はレンタカーを借りて、目的地に行くわけです。

1. レンタカー会社の競争
米国でのレンタカー会社の競争はし烈です。その理由は、同じ空港にサービ スカウンターがたくさん並び、人々は自分の気に入ったところに行くことにな るからです。そのためのサービスと価格の競争は使う側から見るととても面白 いところがあります。そのいくつかをご紹介しましょう。
まず、当然のことながらレンタカーのレンタル価格の競争です。普通のセダン で1日30ー40ドル位です。これは、頻繁に使う人には更に、割引があります。 丸24時間を1日として数えます。違う場所への乗り捨てももちろんできます し、費用も数ドル余分にかかるだけです。これは誰にでもすぐ気が付く差なの で会社による差は、それほど大きくありません。

次には、レンタル手続きの簡略化です。これは、事前に登録した人には、電話 予約だけですれば、カウンターでの手続き無しで、すぐに車に乗れるものなど が現れています。私はこれを実際に使ったことはありませんが、カウンターで 待たされて、しかも打ち合わせの時間が迫ってきているときには、とても有効 だと思いました。

2. 提携したサービス
その次はおまけ付きのサービスです。これは、レンタル会社独自というよりは、 航空会社や、ホテルとの連携が多いようです。とくに、航空会社との提携サー ビスは、どこのレンタカー会社も取り入れています。 航空会社にはたいていマイレージサービスというのがありまして、利用した マイル数に応じた、各種無料航空券がもらえるという、仕組みになっています。 これは、米国のビジネスマンが出張して家族に迷惑をかけたために、その埋め 合わせに、家族のために作られたシステムのように見えます。ちなみに、この 無料航空券をビジネスに使ったという話しは聞いたことがありません。すなわ ち、仕事で飛行機を利用した(家族に迷惑をかけたと米国では考えているよう です)ビジネスマンが、その獲得したマイル数に応じて、家族に航空券を提供 して、家族サービスをするシステムのように見えます。 いずれにしろ、航空会社にとっては平日はビジネス客から、正規料金で乗って もらい、休日はあまり埋まらない席を、家族連れに安く使ってもらうという、 供給者側のメリットと、その一方、ビジネスマンの家族への罪悪感を薄めると いう効果、および家族は旅行をただで楽しめるという、三方1両得であるよう に思います。レンタカー会社もそのプログラムに便乗して、航空会社のマイレ ージに加算して搭乗マイル数が獲得できるように特典をつけています。大体 1回で500マイル位加算されるのが普通です。

3. 車の種類と手入れ状況
レンタカーで気になる、安全性と車の使用年数だと思います。この点では、 米国のレンタカーは、タイヤとブレーキはいつもきちんとしています。走行マ イル数も比較してみましたが、私の経験では一番多くて6ー7万マイル走った ものが最高で、普通は3万マイルくらいが普通です。米国の自家用車では10 万マイルは平気で走りますから、この数字は、標準的なレベルといえます。 もちろん、時々は走行距離が千マイル以下の新車にもあたることがあります。

最近特に気が付くのは、禁煙のレンタカーが増えていることです。やはり、 たばこを一度でも吸うと、車内に臭いが染み付きとても気になることがありま す。そのような要望に合わせて出てきた、サービスです。せっかくですので、 私はできる限り、禁煙のレンタカーを借りることにしています。

時々、レンタカーのサービスで不思議に思うのは、次のような点です。 空港からレンタカーのパーキングまでの送迎バスを無料で運行し、それでも レンタル料は1日40ドル前後で、しかもおまけつきプログラムまでできて いるこの現実です。私の計算ではとても、黒字にはできない結果になるのです が、これは米国のビジネスの不思議のひとつとしてさらに調査を進めたいと 考えるわけです。


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