Charlotte Weekly 1997.04.20.号 通巻 第38号

靴磨きは今も健在の巻

今週は、靴磨きが、今でも健在である生活をご報告します。
米国では、革製品が今でもいろいろなところで使われている事は、第35号で ご報告しました。その延長上にある、革製品の手入れでは、靴磨きが現在でも 健在です。そして、靴をピカピカにしてくれます。

−靴磨き = “Shoe Shine”−
英語で靴磨きの事を、Shoe Shineといいます。日本語に訳すと、靴が輝くと いう感じです。実際米国の人の靴は、革張りの底が多く、空港で見るビジネス パーソンの靴はピカピカですし、靴自身は革の使用量が多く重たいです。 ですから、革としての取り扱いが必要になります。私の足は幅広ですし、重たい 靴は嫌いなので、日本製のゴム底の革靴を履いています。ですから、革の良さを すべて知っているわけではありませんが、こちらの人の靴を見ていると、いつも きれいに手入れされているのに感心します。この一つの原因は靴磨きの存在だと 思います。靴磨きは、飛行場や大きなホテルの中や、ビジネス街に近いショッピ ングモールの中にもいます。磨く人は立ったままで作業をしますので、お客は 高いいすに座らされます。そして、彼らの鮮やかな手つきで、文字どおり靴は 輝きます。

−靴磨きの人と料金−
靴磨きも、いくつかのランクで料金が変わりますが、大体4-5ドルというのが相場 です。それにチップが15%くらい加わりますから、靴磨きの人の手取りは一人の お客から、2-3ドルくらいではないかと思います。この仕事をしている人達の中に は、あまり白人を見た事はありませんが。気さくな人たちが多いですが、私には かなりわかりにくい言葉を使う人が多いです。最近は仕事でもカジュアルが許さ れるようになってきていますので、革靴がスニーカーに変化していて、お客は 減りつつあるというような事を、聞いた事があります。ですから、収入は決して 多くはないと思います。

−細かいサービスの背景−
このようなサービスはほかにもいくつかあります。例えば、米国では、ちょっと した大さのホテルは、近くの空港からホテルまで、シャトルという送り迎えの 「無料」バスが定期的に運行される事が、多くあります。運転手とバスとを専属 にしていてかつ無料というシステムは、今でも、なぜ可能なのか不思議ではあり ます。この仕事も、有色人種の仕事という感じなのですが、この類の、低コスト 労働力というのは、しっかりと経済の仕組みのなかに組み込まれています。 米国社会の幅の広さを、このようなところでも感じます。

−人々の表情−
靴磨きの人々は、磨き終わると「どうだきれいになっただろう」という表情を します。生活レベルは決して高くはないと思いますが、その時は仕事にかける 心意気を感じます。ですから、空港などで時間があると、ついつい靴磨きの お世話になる事が多いです。そして磨かれた靴を見ると、なるほど手入れを すると、随分靴もきれいになるものだと、実感するわけです。

−編集後記−
こちらは、新緑一杯の季節になりました。今週末は山の方では雪が降ったりして 寒さが戻りましたが、街路樹が生き生きしてきてとても街が明るくなりました。 これからしばらくが、一年中で一番いい季節かもしれません。連休などを利用 して、日頃見落としているような、ごく身近な自然の素晴らしさに目を向けて みてはいかがでしょうか。私も磨いてもらった靴を見て、革の良さについて 改めて見直しました。


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